1.マイホームにまつわるユーザーのリスク
構造計算偽装事件で多くのマンション住民やホテルのオーナー、従業員の方々が多大なる被害をこうむったことは記憶に新しいところです。
ただ、あそこまで大事になっていなくても、地盤沈下で傾いた家、雨漏りする家、柱が寸足らずで地震が起きたら壊れそうな家はテレビでも取り上げられるところです。
頭金を払った後、住宅供給業者が倒産して、泣き寝入りすることもあります。

もちろん、このようなケースは全体から見ればわずかな件数であり、多くの業者は誇りを持って、ユーザーに喜ばれる家を作ろうと努力しています。
しかし、建築のプロといえども土地の状態を正確に見極めるのは難しいし、いくら技術があってもやはり人の手によるもの、絶対とは言い切れないのも事実です。また、経営内容がいいと思っていた会社が、不慮の事故により一気に倒産に追い込まれることだってありえます。

つまり、ユーザーにとって夢のマイホームも、裏側にはこういった危険が潜んでいるわけです。
「何かあったら当社が保証しますよ」「当社を信用できないなら他で契約してください」こう言い切る業者もあります。自社の経営内容や技術に自信を持っているのでしょう。
しかし、構造計算偽装事件でわかるように、万が一その業者が倒産してしまったらどうなるのでしょう?誰が守ってくれるのでしょう?

2.ここに住宅保証・保険の意味がある
では、どうやってこれらの危険を回避すればいいのでしょう?
ここで注目していただきたいのが、各種住宅保証・保険です。それはなぜでしょう?
@完成保証
施工中の業者倒産リスクに対しては完成保証をつけてもらうという手があります。
そもそも完成保証制度に登録している業者は厳格な経営審査を経ていますので、信用できる会社といえますが、万が一倒産した場合でも他の業者が工事を引き継いで完成させてくれるという制度です。元の契約金額よりも余分にかかったとしても、保証会社が費用を負担してくれます(全額とは言い切れません)。
ですから、請負契約前に「完成保証をつけてください」といい、きちんと保証書を受け取れば、安心して引渡しを待つことができます。
完成した物件を売買する建売分譲住宅の場合は、完成保証は必要ありません。
A瑕疵保険
住宅の欠陥というリスクに対しては、従来瑕疵保証をつけてもらうという手がありました。
しかし、当時はつけるかどうか自由であったため、つけていない物件がほとんどでした。
そこで、構造計算偽装事件後、新たな法律が制定され、平成21年10月1日以降引き渡されるすべての住宅には、瑕疵保険または供託が義務となりました。
これにより、万が一業者が倒産しても、ユーザーは欠陥住宅から守られることになります。
ですから、請負や売買契約前に保険か供託かを確認し、保険の場合は最後に瑕疵保険書を受け取りましょう。
なお、瑕疵保険は耐震性を検査するものではなく、地震保険とは異なります。
また、瑕疵保険の対象は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」です。設備機器の欠陥や内装仕上げの不備は瑕疵とはいいません。
B地盤保証
地盤沈下というリスクに対しては地盤保証をつけてもらうという手があります。
基礎着工前に地盤のプロが調査し、図面通りの家を建てても不同沈下を起こさないか分析します。その結果、問題がある地盤の場合には改良工事を施します。
こうしておけば、不同沈下のリスクは大幅に減少しますし、万が一沈下しても保証会社が費用を負担してくれます(全額とは言い切れません)。
もちろん、地盤改良工事にはそれなりの費用がかかりますが、沈下した場合の修復費用は数百万ともいわれ、最悪の場合、建替える必要も出てきます。それを考えると、最初の資金計画として、地盤改良工事費100万円程度はみておくことをお勧めします。
ですから、もし「費用が○○かかりますが、改良工事をしますか?」と相談された場合は「はい」と答え、引渡し時には瑕疵保険書と一緒に地盤保証書を受け取りましょう。

3.最後に
これらの保証・保険制度に会社として登録していても、各物件には保証・保険がついていないケースがよくあります。
「自分の物件にはちゃんと保証・保険がついている」と誤解しているユーザーも多いのでは。
きちんと物件に保証・保険がついていることを確認してください。


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